治療案内

歯と健康

  • 健康長寿の秘訣

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    2年に1本歯を失う!?

    2年に1本歯を失う!?

    人生100年時代を迎えて、いかに元気で意欲的に過ごすかが重要なテーマとなっています。そんな私たちの命の源として下支えしてくれているのが歯であり、歯ぐきです。歯ぐきが元気でしっかり噛めることが私たちの健康長寿の秘訣といっても過言ではありません。
    日本人が歯を失う原因はむし歯を上回り、歯周病が第1位(2018年に実施の全国抜歯原因調査より)となっています。歯周病は歯ぐきが細菌に感染して炎症を起こし、進行するとともに歯を支える歯肉だけでなく、中の骨である歯槽骨を溶かして、やがてその歯槽骨もろとも歯を失ってしまう病気です。その歯周病に日本人の8割が罹患していて、50歳以降は平均して2年に1本強の割合で歯を失っているという厚生省の調査報告もあり、人ごとではなく、思い当たる方も少なくないのではないでしょうか。
    こうした歯の喪失のリスクを減らすために有効な手立てとされているのが、定期的な歯科検診と口腔内の清掃(必要ならば歯ブラシ指導)といった予防的な処置を受けることです。実際に定期的に歯科検診と歯石除去等を受けた人と、受けなかった人のグループを5年間にわたり経過観察を行ったところ、受けたグループでは1人平均喪失歯数が0.37歯であったのに対し、受けなかったグループの喪失歯数は1.39歯と有意な差が開き、定期検診と口腔内の清掃が歯の喪失防止に重要であることが示唆されました。
    それだけでなく、定期検診によって口腔内のトラブルの早期発見・早期治療できるため、それだけ治療が長引かず、通院も少なくてすみ、経済的な負担も軽減できるメリットがあります。

    継続こそが力

    口腔内のチェックと定期的な清掃に通うことは地道な努力の積み重ねですが、結果的に歯を失うことなく生涯にわたり自分の歯で食事ができるという恩恵がもたらされます。
    「噛む」という行為は脳を直接的に刺激するので認知症予防の可能性が明らかにされています。しっかり噛めば噛むほど脳にたくさんの刺激が伝わり、脳を活性化し、生きる意欲につながります。
    今年も引き続き、歯と歯ぐきの健康を守り、健康寿命を伸ばしていきましょう。

    継続こそが力
  • 歯をきれいにする「清掃性食品」とは?

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    歯の汚れを取り除いてくれる食品

    歯の汚れを取り除いてくれる食品

    食事をしたあとは食べカスが残って歯が汚れてしまうと感じる方も多いかもしれませんが、食材によっては口の中の衛生を保つように働く食品もあります。それらの食品は“清掃性食品”といって、大きく2つに分けられます。一つは“直接清掃性食品”で食物繊維を豊富に含んでいて、噛むことで繊維質が歯や口腔粘膜の表面に付着した汚れを取り除いてきれいにしてくれます。糖質や油分などが少ないことも特徴の一つで代表的な食品にはキャベツ、ゴボウ、レタス、セロリ、ニンジン、こんにゃくなどがあげられます。とくにニンジンやゴボウは硬くてよく噛まなければならないので唾液の分泌も盛んになり、唾液による自浄作用も期待できます。ただ、現代人は軟らかい食品を好む傾向があるので、根菜類など食物繊維豊富な食品は意識してメニューに採り入れる必要があるのかもしれません。
    もう一つは“間接清掃性食品”といって、梅干しやレモン、酢の物などです。思い浮かべただけで唾液がでてきそうですが、まさにこの唾液の分泌のよって口の中の食べカスや汚れを洗い流して清潔にしてくれるのです。食事によって酸性に傾いた口の中を元に戻し、むし歯になりにくい環境づくりにも一役かってくれます。

    むし歯の原因になりやすい「停滞性食品」

    反対にむし歯の原因になりやすい食品といえば、チョコレートやキャラメル、ポテトチップ、カレー、パンなどですが、これらは“停滞性食品”といわれ、糖質や油分を含み、粘り気があって歯の表面に付着しやすいのが特徴で、むし歯や歯周病のリスクを高めるので要注意です。
    清掃性食品を多く摂ることでお口の健康につながることは間違いありませんが、それだけに偏ってしまっては食事の楽しみが奪われて本末転倒といわざるを得ません。お好きなものを食べつつ、栄養バランスはもちろん、清掃性食品についても念頭において、毎日の食事を工夫されることをおすすめします。普段の歯磨きや定期検診とクリーニングも継続して受けられつつ、口腔内の健康維持に務めていただければと思います。

    むし歯の原因になりやすい「停滞性食品」
  • 夜更かしとむし歯に意外な関係

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    夜型生活でむし歯が増える?!

    夜型生活でむし歯が増える?!

    夜更かしが続いたり、徹夜したあとに歯が痛くなったり、急に虫歯が増えたという経験はありませんか?
    確かにお菓子をつまみながら夜、遅くまで起きていて、歯磨きもついついパスして寝てしまった、これではむし歯への道をまっしぐらですが、実際に夜更かしとむし歯の関係を北海道大学大学院歯学研究院の八若保孝教授と北海道医療大学リハビリテーション科学部の西出真也講師らの研究グループが16歳以下の小児(230人)を対象に調査しています。子どもたちの口腔内の虫歯(治療済みも含む)の本数と食事や就寝、ハミガキの時間などを記録、生活習慣とむし歯との関係を分析した結果、就寝時刻や夕食時刻が遅い子どもや、夕食を決まった時刻に食べていない子は虫歯が多いということがわかりました。夕食を遅く食べる子は就寝時刻も遅い夜型生活になる傾向があり、こうした夜型の生活習慣による虫歯発生のリスクは年齢が小さい子ほど高まることも報告されています。

    お子さんのむし歯予防に早寝早起きを

    むし歯はミュータンスレンサ球菌などのむし歯菌が食べカス(糖質)などをエサにして作り出される酸が歯の表面のエナメル質を溶かして穴をあけることから始まり、食事の回数が多い、ダラダラ食べるなど1日のうちで口の中が酸性になる時間が長いほどむし歯になりやすい環境になります。今回の研究では夜型の生活習慣は夜食や間食などで口の中が酸性になる時間が増えることと、さらには夜更かしをすると心身が十休息状態にならず、唾液の分泌を促す副交感神経がうまく働かないため、口腔内の衛生状態を維持する唾液の分泌量が低下、むし歯発生のリスクが高まると考えられています。
    夜更かしは体に毒といわれますが、口腔内の健康維持にも負担が大きいことがわかります。夕食後の間食は控えるのがベストですが、何か食べてしまった場合は、必ずブラッシングをして就寝するようにしましょう。永久歯にできる最初の虫歯の多くが小児期に発生するで、お子さんのむし歯予防のためにも早寝早起きが推奨されます。

    お子さんのむし歯予防に早寝早起きを
  • 食事をよりおいしくするには

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    “うま味”に敏感に反応

    “うま味”に敏感に反応

    食べることは人生の大きな楽しみであり、まさに生きる糧です。その食事をいつまでも、おいしくいただくにはしっかりと噛める歯があってこそですが、今回は食事の美味しさに唾液が一役かっているという研究をご紹介します。
    唾液は口の中でじつにさまざまな働きをしていますが、そのうち、酸やアルカリを中和するという役割があります。これを“唾液緩衝能(だえきかんしょうのう)”といいますが、歯や歯肉組織を酸から守るためと考えられています。さらに酸味を低下させるという可能性も示唆されていますが、この唾液と味覚についての関係を、岡山大学術研究院医歯薬学域(歯)口腔生理学の吉田竜介教授らの研究グループが同大学歯学部の学生87人(男性43人、女性44人)の協力を得て行っています。この研究では唾液の緩衝能(酸やアルカリを中和するという役割)と味覚の感受性との関連について調べました。
    人の味覚は5つの味覚がありますが、甘味はショ糖、塩味はNaCl、酸味はクエン酸、苦味はキニーネ、うま味はグルタミン酸ナトリウムを使用し、その味を認識できる最小濃度(%)、これを認知閾値といいますが、この閾値を比較しました。それによると緩衝能、つまり酸やアルカリを中和する能力の高い唾液を持つ群のほうが低い群より、うま味について敏感に感じ取る傾向が見られました。このことにより、唾液緩衝能が高い人ほどうま味についての感受性が高いという相関関係があることも報告されています。
    また、安静時の唾液量は、唾液緩衝能が高い群の方が低い群より、唾液の分泌が多い傾向が見られました。

    唾液は味の感じ方を左右する

    今回の研究で口内を中性に保とうという唾液の働きが歯を守るだけでなく、味の感じ方にも影響を与えているということが分かりました。また、唾液緩衝能が高い人は唾液の分泌量の多い傾向があることから、しっかりと唾液が出ることが、より食べ物をおいしく食べるための条件の一つといえそうです。
    食べることが健康維持はもとより、体力づくり、アンチエイジングにも関わる重要なことです。歯、歯肉の不調はもちろん、唾液の分泌なども含め口腔内の変化ついては放置せず歯科医に相談して早期に対処してもらうようにしましょう。

    唾液は味の感じ方を左右する
  • 口腔内トラブルとストレスとの関係

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    ストレスで歯ぐきが腫れる!?

    ストレスで歯ぐきが腫れる!?

    ストレスによって心身の不調がもたらされるということは珍しいことではありません。それだけでなく、口腔内の健康にも影響を及ぼすことがわかってきました。たとえば、睡眠中の歯ぎしりや食いしばりなどはストレスが一因といわれています。
    また、ストレスを感じたときにはからだが臨戦態勢になるため、交感神経が優位に働いて唾液を分泌する副交感神経が抑制され唾液の分泌量が減少します。そのため、唾液による口腔内の自浄作用の低下し歯周病やむし歯、口内炎や口臭などになりやすくなるなどさまざまなトラブルの原因ともなります。
    実際にストレスがどのくらい口腔内の健康に影響しているのか、東京医科歯科大学の健康推進歯学分野の相田潤教授、青木仁大学院生らの研究グループが調査研究を行いました。この研究では274,881名(平均年齢47歳)の成人を対象に、日常生活についての広範なストレスを19項目設定し、該当項目数と口腔内の健康の関連を分析しました。その結果は口腔内に歯周病などなんらかの病気がある率は、ストレスのない人で2.1%でしたが、ストレススコアとともに増加し、最大7項目以上チェックした人では15.4%に達しました。「歯が痛い」「歯ぐきの腫れ・出血」「噛みにくい」といった症状についても、該当するストレス項目が多い人ほど、口腔内の症状を訴える人が増えるという相関関係があることが認められました。

    ストレスを解消して口腔内の健康維持を

    ストレスが体調不良の原因となることはよく知られたことですが、今回の研究で口腔内もストレスの影響はまぬがれず、口腔内のトラブルを招く原因の一つとなることがわかりました。お口の中を健康で保つ上で、ストレスを緩和し、解消することがいかに大事なことであるかが示唆されたといっていいのではないでしょうか。
    適度なストレスは生活にハリをもたせ、その人のやる気を出させたり、成長するには欠かせないものといえます。ただ、過度はストレスや長引くストレスはよくありません。口腔内の健康維持を考えるときに、日常的な口腔ケアととともに、ご自身に合ったストレス発散法をぜひ、身に付けて実践していきたいものです。

    ストレスを解消して口腔内の健康維持を

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