治療案内

歯と健康

  • むし歯にならない水分補給を

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    自販機の誘惑

    自販機の誘惑

    酷暑が続くなか、水分補給に気を配っている方も多いと思いますが、むし歯予防の観点から留意してほしい点があります。それは砂糖入りのジュースなどの甘い飲料をダラダラと時間をかけて飲むことはむし歯のリスクを高めるということです。
    夏場は自販機を利用する機会も増えますが、そこに並ぶ多くの飲料は甘さや酸味が強く、歯のエナメル質にとっては大敵といっても過言ではありません。フタ付きのペットボトルは一気に飲み干すというよりも繰り返し口に運ぶことができるので、口の中の酸性度が維持されやすく、唾液による中和作用も働きにくくなって、むし歯になりやすい環境となってしまうのです。そもそも、甘い飲料水は大量に飲むと糖分の過剰摂取になってしまうため、熱中症対策の水分補給には適さないということをご理解ください。
    無害なのは水とお茶だけといってよく、自販機に占める割合は3分の1以下、自販機の誘惑に打ち勝つのは至難の業です。

    コーラ1本にスティックシュガー20本分の砂糖

    こうした販売されている各種飲料水(無糖の飲料水)には想像以上の糖類(ショ糖、果糖)が含まれていて、コーラ500mlには61.0g、オレンジシュース(濃縮還元タイプ)500mlには55.0g、スポーツドリンク500mlには25.5g、と実に多く、1本3g入りのスティックシュガーに換算すると、コーラは約20本分、オレンジジュース約18本分、スポーツドリンク8.5本分と驚くばかりです。「一日の砂糖摂取量は25gまでに制限すべき」というWHO(世界保健機関)のガイドラインをいずれの飲料も1本で軽く超えています。
    とはいえ、甘いものは人生を豊かにする楽しみの一つでもあるので、完全に排除するのではなく、適切な飲み方、食べ方を選ぶことでむし歯のリスクを下げることが可能です。自販機での買い物は水やお茶だけにして、ジュースなどの甘い飲料は食事や間食のときだけに制限して飲むべしというアドバイスもあります。お菓子なども同様でしが、要はだらだらと食べ続けないで、必ず口を休ませる時間を持ちましょう。甘いものとのお付き合いはメリハリをつけた飲食をおすすめします。

    コーラ1本にスティックシュガー20本分の砂糖
  • 予防歯科はメリットだらけ

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    歯周病ポケットの発生を予防

    歯周病ポケットの発生を予防

    定期的な歯科健診や歯石除去などの歯のクリーニングを奨励していますが、こうした予防歯科に関して大規模な調査研究が行われました。調査を行ったのは歯磨き用品でおなじみのライオン(株)で、年間2万人以上が健康診断を受ける日本IBM健保のデータを10年間にわたり分析しました。
    日本IBM健保では歯科医師による歯周病のチェック及び歯科衛生士によるセルフケアのアドバイス等による独自の歯科予防プログラム「p-Dental21」を実施しています。今回の調査ではこの歯科予防プログラムへの参加が2回以上を「高頻度群」、1回以下を「低頻度群」として比較しています。
    まず、歯周病について歯周ポケット(4㎜以上)の発生までの時間を比較したところ、「高頻度群」が「低頻度群」と比較して歯周ポケットが新たに発生するまでの時間が有意に長いことが示されました。つまり、予防歯科に熱心なグループの方が、歯周ポケット発生のリスクが低いということです。

    歯科医療費も軽減

    歯科にかかる医療費(2014年から2023年までの累積)については、歯周ポケット4mm以上群は4mm未満群よりも約4万円高い医療費がかかっていることが確認されました。「噛む状態」についての比較では「噛みにくい」群は「噛める」群よりも約3万円高く歯科医療費を支払っていることが明らかになりました。歯や歯ぐき、噛み合わせ等に気になる部分があると口腔内のトラブルにつながりやすく、歯科にかかる結果となり医療費もそれだけ増えるのではないでしょうか。ちなみに「噛める」群は「何でも噛んで食べることができる」と回答したグループで、「噛みにくい」群は「噛みにくいことがある」、または「ほとんど噛めない」のいずれかを回答したグループです。
    生活習慣の変化では歯科予防プログラム参加群では喫煙者の減少と運動習慣の増加が見らました。
    今回の調査結果から予防歯科によって歯周病重症化予防はもちろん、生活習慣改善や健康増進、さらには歯科医療費軽減まで実現できる可能性が示唆されており、その重要性が再認識された形となりました。日頃の丁寧な歯ブラシはもちろん、定期的な歯科健診とクリーニングを引き続き受けられて健康増進につなげていきましょう。

    歯科医療費も軽減
  • 子どもの肥満、その原因は?

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    噛む能力と関連性が示唆

    噛む能力と関連性が示唆

    子どもの頃に「よく噛んで食べなさい」といわれた方も多いと思いますが、親にしてみれば、しっかりと噛みしめて味わって食事をいただくというしつけの一環でもあったのでしょう。実際に食事の仕方やよく噛むことが子どもの健康にどのような影響を与えているのか、とくに肥満との関係を調査研究したのが大阪大学大学院歯学研究科のグループで、大阪市の小学校4年生1,403人を対象に大規模調査を行いました。咀嚼能力(食べ物を細かく噛む力)については咀嚼検査用の色付きのガムを1分間噛んで、咀嚼後のガムの色の混ざり具合や唾液の出方などを専用のアプリで解析しています。
    調査結果は全体のうち167人、約1割強の子どもが肥満と判定されました。「噛む能力が低い」場合はそれ以外の子どもたちと比べて、肥満になりやすさは1.50倍、「早食い」の子は1.73倍、「口いっぱいに入れて食べる」子が1.29倍でした。とくに「早食い」と「噛む能力が低い」の両方の項目に当てはまる子どもは男女とも肥満との関連性が強く、特に男児で3倍と顕著でした。

    歯並びや噛み合わせのチェックも大切

    子どもの肥満について、その原因として「早食い」や「口いっぱいに食べる」などの食べ方や咀嚼能力が影響すると考えられてきましたが、実際に肥満との関連を調査した研究はほとんどありませんでした。今回はその点が明らかにされ、学童期に咀嚼能力が低い場合や「早食い」や「口いっぱいに食べる」という食事の仕方によって、肥満になりやすいことを世界で初めて明らかにしたといえます。
    近年、硬い食べ物を噛めない、あるいはうまく飲み込めないなど咀嚼や嚥下の機能に問題を抱える子どもも多くみられ、成長や健康維持への影響が懸念されています。とくに肥満については食事内容やカロリーの摂取量の留意はもちろんですが、しっかりと噛んで食べることが子どもの健やかな成長にいかに大切であるかについて納得するところだと思います。噛む機能を高めるためにも歯並びや噛み合わせが悪い場合は矯正治療等で対応する必要があるので、子ども時代から定期的に歯科検診に通うことをおすすめします。

    歯並びや噛み合わせのチェックも大切
  • 歯石の科学

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    そもそも歯石とは?

    そもそも歯石とは?

    歯石とは読んで字のごとく、歯の表面に付着してできる硬い石のようなもの。その正体は歯垢に唾液中のカルシウムやリン酸などが結合して石灰化したものです。たとえば、前歯の裏側の歯肉のとの間を見てください。歯石がたまっていませんか。いったん形成されると歯ブラシで取り除くが難しいのでやっかいなだけでなく、石は石でも軽石のように小さな穴がたくさん空いていてそこを住みかに細菌が繁殖して毒素を出すため、歯肉が炎症したり、歯周病の原因となります。
    歯石のざらざらした表面にはプラークもたまりやすく歯周病菌の温床となるので歯石は放置せず、徹底的に除去するに越したことはありません。

    歯石は早めに除去を

    歯石除去はスケーラーという器具を使って行いますが、手用スケーラーのほか超音波スケーラーやエアースケーラーなどがあり、付着した状況や部位等によって使い分けられます。
    歯周病が進行するといわゆる“歯周ポケット”内にも沈着し、細菌が繁殖しやすい環境になるので、ここも特殊な器具で念入りにスケーリングします。必要な場合は「ルートプレーニング」といって、歯石が付着してもろくなってしまった歯根の表面のセメント質や象牙質を除去して歯根面を硬くなめらかな面に仕上げます。さらに歯周ポケットが深くなり奥の方まで歯石が沈着している場合は、目視でのスケーラーでは難しいので歯肉を切開して歯石を取り除く「フラップ手術」が検討されます。
    いずれにしろ、歯周病は“元から断たなきゃだめ”ということで、歯石に付着した細菌ごと徹底的に除去することで歯肉の炎症や出血、腫れなども改善されます。
    ただし、歯石を除去すればそれで安心というわけではありません。その後も丁寧なブラッシングを継続して、歯垢をできるだけ除去するようにしましょう。
    “歯石が付いたから歯科医院に行く”という発想ではなく、歯石が付かないように日頃からしっかりケアを実践することはもちろんですが、定期的に歯科医院での検診とクリーニングを受けて、清潔な口腔内を維持することが大切だといえます。

    歯石は早めに除去を
  • 迫り来る“2040年問題”に向けて

    歯と健康

    『歯科イノベーションロードマップ』とは

    『歯科イノベーションロードマップ』とは

    大阪・関西万博の開幕が4月13日と迫っていますが、膨れ上がる建設費や工事の遅れなどが話題となり、万博のテーマは置き去れたかのようですが、2016年当時、大阪府が発表した構想試案では「人類の健康・長寿への挑戦」がテーマでした。最終的には「いのち輝く未来社会のデザイン」となりましたが、この構想案を受けて、日本歯科医学会では『健康寿命の延伸に貢献する歯科イノベーションロードマップ(工程表)』を作成し、日本の喫緊の課題に超高齢化問題、とくに迫り来る“2040年問題”をいかに乗り越えるか、歯科医療の観点から提案しています。2040年には団塊ジュニア世代(1971年から1974年に生まれた世代)が65歳を迎え、高齢者の割合が過去最大の約35%に達する一方で、生産年齢人口は急減し、日本経済や社会保障の維持が危機的状況に陥るとされるのが“2040年問題”ですが、ネガティブな予測に歯止めをかけようという試みです。
    日本歯科医学会に所属する27の分科会から出された156の歯科の未来技術を結集、その中でもエビデンスがあり、実現性の高いものを吟味し一覧にしています。

    歯科医療の近未来

    具体的にはAI(人工知能)を活用した診断・予防技術の進化のほか、再生医療やバイオマテリアル(ヒトに移植することを目的にした生体材料)の開発による歯科治療の質の向上があげられ、インプラント治療の成功率の向上などが期待されています。
    さらにはデジタル技術の進歩により、歯科医療の効率化はもちろん、より精密で精度の高い治療が期待できるほか、3Dプリンティング技術の普及で治療のカスタマイズ化や高度な審美治療・修復治療の実現可能になります。
    ゲームの世界ではすでにおなじみのバーチャルリアリティ(VR)ですが、このVRを歯科領域に活用することで患者自身が口腔内の状態を体験しながら口腔ケアを学ぶことができるなど体験型の予防法も実現できます。オンライン上での歯科相談や遠隔検診などが普及することで地理的な制約を超えて歯科医療へのアクセスも向上させることができるでしょう。
    未来の歯科医療を予感させるロードマップですが、患者さまにとってより快適に効率的に、負担のない治療の実現に向けて、歯科イノベーションが着実に進んでいることが実感されます。

    歯科医療の近未来

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