歯科コラム

歯と健康

  • あとあと後悔しないためにも定期健診のススメ

    歯と健康

    歯科医院とはふだんどうようなお付き合いをされているのか、その現状がよくわかるタイムリーな調査が発表されました。日本歯科医師会が実施している「歯科医療に関する一般生活者意識調査」で、全国の15〜79歳男女1万人を対象に 2018 年4月に行われ、11月8日の 「いい歯の日」に発表されました。2005 年からほぼ隔年で実施されており、今年は「歯の治療の先延ばし意識と実態」と「歯の治療に対する後悔」について焦点を当てています。
    「先延ばし派」とはどちらかというと先延ばしする、あるいはギリギリまで対応しないという傾向をいい、 一方の「対応派」は気になり始めたらすぐに対応する、あるいはどちらかというと先に片付けておきたいという傾向が当てはまります。

    歯科受診はついつい先延ばしにしがち

    この調査で最も驚かされたのは歯科受診・検診について、先延ばし派が52.7%と対応派(47.3%)を上回ったことです。日常生活での行動全般では対応派が73.4%、健診や人間ドックなどの健康管理でも52.7%と対応派の方が多いのにも関わらず、歯科受診・健診となるとつい足が重くなってしまう人がまだまだ半数以上いらっしゃることがわかります。
    先延ばし派の割合が最も多い世代は意外にも20代(60.5%)で、その20代の先延ばし派の悩みは上位から「歯の色が気になる」「歯並びが気になる」「歯と歯の間にものがはさまる」「口臭がある」「歯が痛んだり、しみたりする」「歯石がたまっている」「歯ぐきから血がでたり、歯がぐらぐらする」等があげられています。確かに対応派の半数以上が口腔内の状態について「健康だと思う」のに対して、先延ばし派は「健康だと思わない」という回答が63.2%というのもうなづけます。

    4人に3人は「もっと早く治療しておけば」と後悔

    歯の治療に対する後悔については4人に3人(75.7%)が「もっと早くから歯の健診や治療をしておけばよかった」という気持ちを抱いており、これに関しては先延ばし派( 76.0%)も対応派(75.3%)それほど違いはありません。ただ、高齢になるに連れてその後悔度は先延ばし派で高まります。男女別では女性の方が後悔の割合が高く、これは見た目との関係が大きいためでしょう。口元の美しさはアンチエイジングにも直結しており、50代後半が後悔のピークになっていることからもそれがうかがえます。
    先延ばしにしたツケは年齢とともにさまざまなトラブルとなって噴出してくるといえます。“後悔先に立たず”といいますが、口腔内の健康についてもすぐに対応する派に軍配が挙がると言わざるを得ません。後手後手に回るとそれだけ余計にお金も時間も費やされ、歯を失うリスクまで高くなるからです。
    これ以上後悔しないためにも、定期健診がまだの方は予約の電話を入れることお薦めします。定期健診で普段の悩みなどいろいろ相談されることで歯科医院との距離感が一気に縮まること請け合いです。

  • 長時間のスマホやゲームは要注意!歯列接触癖の人が増えています

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    上下の歯、いつも噛み締めていませんか?

    スポーツの秋、読書の秋、食欲の秋と秋はなにをするにもよい季節です。最近は“読書よりはスマホ”という人が多のかもしれません。こうした読書など趣味の世界に没頭するときにじつは気をつけていただきたいポイントがあります。
    そのポイントに関連しての質問ですが、上下の歯が噛み合っている時間は1日にどれくらいだと思いますか? つねに噛み合っているのではと思う方もあるかもしれません。確かに食事中、あるいは会話の間は上下の歯は噛み合います。しかし、それ以外では歯は触れ合うことはなく、ふだんは上下の歯の間は2〜3㎜、離れているのが本来の姿です。質問の答えは約17分です。とても短いことに驚かれる方も多いと思います。
    しかし、なんらかの理由で必要のないときに歯が触れ合ったり、噛みしめていたりしてそれが癖になっている場合があります。こうした癖を「歯列接触癖」(TCH=Tooth Contacting Habit)といいます。就寝中の歯ぎしりとは区別され、「弱い噛み締めを長時間行う癖」のことをいいます。

    「緊張」「集中」「長時間うつむく」場面で起こりやすい

    歯列接触癖がなぜ問題になるかというと上下の歯が触れ合うだけでも咀嚼筋や顔面筋、顎関節が刺激を受けて緊張を強いられ、それが長時間、毎日続くことで筋肉に疲労が生じてしまうためです。弱い力ですが歯や歯を支えている組織(歯肉、歯槽骨、歯根膜など)に負担を与え、歯にヒビが入ったり、歯周病の悪化や知覚過敏の原因になったりします。そのほか、咀嚼時の慢性的な痛みや口が開かないなど顎関節症の症状や肩こり、頭痛などを招くおそれあります。
    こうした接触癖は無意識に行ってしまうため、本人に聞いても自覚がないことが特徴です。そのため接触癖の有無は舌の側面や先端にギザギザした歯の噛み跡があるかどうかを確認します。噛み締めが長時間に及ぶことで舌に跡が残るのです。これを「舌圧痕」といいます。また、頬に内側の粘膜にやや突起した白い筋が出ることもあります。
    歯の接触が起こりやすいのは「緊張する場面」「集中して作業を続けている時」「長時間うつむきがちな姿勢を続けている時」などが代表的な例です。家事や車の運転のほかパソコンやテレビゲーム、勉強中などに多いといわれています。うつむく姿勢がよくないのは下を向くと上下の歯の隙間が狭くなり、接触しやすくなるためです。
    もし、こうした接触癖があると気づいたら生活改善をすることによって軽減することができます。日頃の噛み締め癖を意識することが第1なので、「歯を離す」「力まない」などと書いた張り紙を目につくところに貼って、意識的に力を抜くようにします。とくに携帯電話は長時間に見続けないようにしたいものです。最終的には歯が接触したら条件反射的に歯を離す癖づけを行います。
    なかなか改善しない場合や顎関節に痛みがある場合は噛み合わせや歯列などに問題がある場合もあるので、一度、歯科医に相談されることをお勧めします。

  • 災害時の口腔ケアの重要性について

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    避難生活においても口腔ケアを心がけて健康管理を

    このところ日本列島は大型台風や地震により立て続けに大きな災害に見舞われ、各地にその爪あとが残されています。避難生活を余儀なくされている方々や休みを返上して対応されている方々もまだまだ多いことと思います。1日も早く平穏な日常が戻られるように願うばかりです。
    大規模災害では被災された方々の避難所生活が長引き、衛生面での問題が出てくる場合があります。とくに問題になってくるのは口腔ケアについてです。
    避難所の生活では物資が不足している間は食事の回数が減ったり、不規則になったりします。そのほかストレスなどにより唾液の分泌量が減り、唾液による自浄作用が低下するということが起きてきます。
    また、避難所には支援物資としてお菓子や飲み物が身近に置かれることも多く、お子さんなどはどうしても間食が多くなり、虫歯菌のえさとなる糖質が長時間口の中に止まる状態になります。そこに歯磨きが十分にできないといった環境因子も加わり、むし歯が多発しやすい状況下にあるということは否めません。
    また、口腔内が清潔に保てないと歯周病が悪化しやすく、糖尿病をはじめ全身の病気に悪影響を及ぼす可能性があります。血糖値のコントロールのためにも歯周病予防に心がけることが重要です。
    高齢者の場合は入れ歯の洗浄が不十分になるなど口腔内の汚れによって誤嚥性肺炎になる可能性を高めるので十分に注意を払う必要があります。阪神淡路大震災では、震災に関連した肺炎で亡くなった方が200人以上おられますが、その中には誤嚥性肺炎も多かったのではないかと推測されています。肺炎もそうですが、インフルエンザ予防にも口腔ケアは効果的です。

    避難先でのオーラルケアのポイント

    避難先でのオーラルケア(口腔ケア)の方法は、水が不足している場合は食後にお茶や飲み水を少量ずつ口に含んでうがいをします。ハンカチや柔らかい布があれば、食後に歯の表面をぬぐって汚れを落としてお茶やお水で口をゆすぎます。
    歯ブラシがあれば、1回分約30ccの水を用意し水をつけてブラッシングします。歯ブラシに汚れがついたら、ティッシュなどで拭き取りながら、ブラッシングをして、3回くらいにわけて口をゆすぎます。
    液体ハミガキや洗口液が入手できた場合は水のかわりに使うと口腔内を清潔に保つのに役立ちます。液体歯磨きは練ハミガキの代わりとして使え、口に含んですすいだ後にブラッシングします。殺菌成分により口腔内の雑菌を減らすことができます。どちらも使用後に水ですすぐ必要はありません。

    唾液が出にくくなった場合はシュガーレスガムを噛んだり、耳の下や頬、あごの下を手でもんだり、温めたりして唾液の分泌を促すとよいでしょう。

    こうした難先での口腔ケアの重要性を念頭において、防災リュックには歯ブラシ、コップのほか歯間ブラシ、デンタルフロス、うがい用薬液(マウスウォッシュ等)、歯磨きガム(シュガーレスガム等)、入れ歯などを使用している方は保管ケースや入れ歯洗浄剤などをいれておくとよいでしょう。お口の中の健康に予防歯科が欠かせないのと同様に、万が一の場合を想定して災害時も普段の備えが肝心だといえます。

  • 私たちの健康を支える歯並びはチーム力のたまもの

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    1本1本の歯に与えられている役割

    4年に1度のW杯サッカーも終わり、一抹の寂しさを覚える方も多いかと思いますが、2年後に東京オリンピックが迫っており、期待感が持てます。
      今回はなんといっても当初の予想を裏切る“おっさんジャパン”の活躍でしたが、その好成績を支えたのは団結力にあったともいわれています。若手から中堅、ベテラン選手まで目標に向かって一つにまとまり、スムーズな連携が図れたということです。団結力はチーム力とも言いかえられますが、歯科の観点からすると、このチーム力は私たちの歯並びによく現れています。
    サッカーのポジションは後ろからゴールキーパー、ディフェンダー、ミッドフィルダー、フォワードと大きく4種類に分けられ、それぞれ役割が異なりますが、永久歯の場合も同様にその形によって3種類に分類できます。それは切歯、犬歯、臼歯です。
    切歯とは前歯のことで読んで字のごとく、食べ物を噛み切る働きがあります。中央の2本を中切歯、その隣の歯を側切歯といいます。
    犬歯は先が尖っていて動物の牙のような形をしていて、食べ物を切り裂くために最適な形をしています。根は一番長く頑丈なので、一番寿命が長い歯です。お年寄りでもたいてい、犬歯は残っています。犬歯が噛み合わせの目印ともなり、下あごの位置を定め、安定した噛み合わせに導いています。
    臼歯は小臼歯(第1、第2)と大臼歯(第1〜第3)があり、臼のような形で食べ物をすりつぶす役割があります。上あごの第1小臼歯は下あごの固定に重要な歯で、第2小臼歯は噛み合わせの安定を保つ歯といわれています。
    第1大臼歯は永久歯の中でも最も大きく、噛む力も最強です。そのため、食べ物の咀嚼に最も大事な歯といわれています。噛み合わせの高さを決め、それを保つ役割も果たしています。一番奥にある第3大臼歯は親知らずともいわれ、現代人では初めからない人もいて退化傾向にある歯です。

    健康を支えるための大事な戦力

    永久歯は親知らずを入れて合計32本ありますが、1本1本には役割があり、調和を持って配置されています。歯列全体がアーチ型をしているのも、隣合う歯がお互いに支え合って強度を増し、安定した歯列を保つためです。
    硬い食べ物であれば前歯で噛み切り、それを臼歯で砕いたり、すりつぶしたりして唾液で混ぜ合わせ、ある程度のかたまりにして喉に送り込みます。舌や頬の筋肉のアシストも含めて、まさにお口の中のチームプレーといえます。
    サッカーは11人の選手が揃ってこそ、チームとして機能しますが、私たちの歯列も1本欠けても本来の力が発揮できません。むし歯や歯周病で歯を失うことはレッドカードで退場になるようなもの。万が一、歯を失った場合にはインプラントなどでそのスペースを補っておく必要があります。なぜなら、1本でも歯を失うと噛む力が激減することはもちろん、放っておくと空いたスペースに周りの歯が移動して噛み合わせが崩れてしまうからです。
    1本1本の歯は私たちの健康を支えるための大事な戦力です。日々の歯ブラシと定期的な歯科医院でのメンテナンスで一生、大切に使いたいものです。

  • 食事も“噛みごたえ”が大事です

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    柔らかい食事の落とし穴

    「最近は歯ごたえのある人物が減ってきたなあ」なんて声を耳にしますが、歯ごたえといえば、毎日の食事についてはどうでしょうか。ハンバーグに卵料理、豆腐料理、麺類と柔らかい献立ばかりが思い浮かびます。
    確かに現代人は噛むことが億劫になりがちで、硬いものよりも柔らかいものを好む傾向にあります。しかし、そこに落とし穴があり、柔らかいものばかり食べていると噛むときに動かす咬合筋を使わなくなり、しだいに噛む力が弱くなってしまうのです。その結果、以前は噛めていた硬いものまで噛めなくなって、さらに柔らかいものばかりを食べるというるという負のスパイラルに落ち込んでしまいます。
    食生活が偏ってしまうことで食欲も減退、低栄養状態を招いて全身機能の低下につながります。とくにお年寄りの場合は噛むことによる中枢神経の刺激が減るため、アルツハイマー型認知症の発症率が高くなります。
    また、ある調査によると、65歳以上の比較的元気な方、2000人を対象に4年間の追跡調査したところ、口腔内の機能の衰えのある人の場合は、衰えのない人に比べて死亡のリスクが2倍になったという結果が出ています。

    食材は大きめに切ることがコツ

    噛む力は生きる力に直結しているということを踏まえて、日々の食事も“歯ごたえ”を意識したいものです。
    といっても難しいことではありません。食材の切り方を変えるだけでいいのです。たとえばキュウリなども薄く輪切りにするのではなく、ざっくりとした乱切りにするだけで噛む回数も2倍ほど違ってきます。噛む回数が多いということではそれだけ唾液も分泌され、消化吸収もされやすくなります。
    複数の食材を組み合わせることもポイントで、小松菜のおひたしなどにもキャベツにゴマなどを加えるだけでも噛む力がアップします。脳が違う食材があることをキャッチして噛むことを意識させてくれるからです。
    噛み切りにくく、飲み込むまでに時間がかかる切り干し大根などの乾物や油揚げなどもお勧めの食材です。
    お肉は挽肉や薄切りではなく、厚みのあるものがお薦めです。
    暑い季節はとくに麺類が多くなりがちですが、噛みごたえのある1品を加えることでお口の機能低下の予防になります。その際、水やお茶、スープなどで流し込まず、きるだけよく噛んで飲み込むことを忘れないようにしてください。
    お料理を作る側としてはどうしても“食べやすさ”を考慮しがちですが、そのやさしさが噛む機能の低下を招きます。少々食べにくいくらいのお食事で大丈夫。日々、“歯ごたえ”のある食事を意識して健康維持に努めましょう。

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