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歯周病と全身の健康に関係する理由

歯と健康

認知症にも関係

認知症にも関係

歯周病は口腔内だけの病気に止まらず、歯周病が悪化すると糖尿病、高血圧、脳血管疾患、心疾患などのリスクが高くなることはよく知られるところとなりました。これは歯周病菌が血液に入り込み、全身を駆け巡ることでさまざまな病気のリスクを高めるためです。
口腔内の歯周病菌がこうした全身疾患に関与しているということは、にわかには信じがたいことですが、心疾患の患者の動脈硬化を起こしている部分から歯周病菌が多数発見されたことがきっかけとなり研究が進みました。
歯周病菌の代表的なものがポルフィロモナス・ジンジバリス菌ですが、このジンジバリス菌はほかの細胞内に入り込むことができるため動脈の細胞内に入り込んで慢性炎症を起こし、炎症部分から動脈硬化が始まり狭心症や心筋梗塞を誘発するのです。
ジンジバリス菌が血液脳関門(脳の血管と脳の組織との物質の行き来を制限する器官)を突破し、脳の中に入り込むとアミロイドβ(蓄積することで認知症の原因となる脳内でつくられるタンパク質)の沈着を促し、アルツハイマー型認知症のリスクを上げます。実際にアルツハイマー型認知症で亡くなった10人中4人の脳からジンジバリス菌が産生する毒素が検出され、さらには記憶に深く関わる海馬からジンジバリス菌の毒素が発見されたという研究報告があります。

がん発症メカニズムにも関与

最近では歯周病がすべてのがんの発症リスクを上げることが指摘されています。これまではがんの発症は遺伝子の突然変異が原因だと考えられてきましたが、慢性炎症によってがんの抑制遺伝子が働かなくなることで細胞ががん化することが分かってきました。歯周病菌が血液によって全身の臓器に運ばれそこで慢性炎症を起こすことでさまざまな臓器でのがんのリスクを上げると考えられているのです。膵臓がんについていえば、ジンジバリス菌の保菌者は発症リスクが1.6倍高くなり、アグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンス菌という別の菌の保菌者では2.2倍高くなると報告されています。
歯周病は歯や歯の土台にダメージを与え、日本人が歯を失う2大原因の一つともなっていますが、歯周病の予防や治療により、がんや認知症など治療が難しい重大病のリスクを減らすことができるのです。自宅での口腔ケアと定期的な歯科医師による健診とクリーニングで全身の健康維持につなげたいものです。

がん発症メカニズムにも関与

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