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精度の高い被せ物を作るために

歯と健康

中村歯科コラム:印象材は2種類

印象材は2種類

詰め物や被せ物をつくる際にはまず歯の型取りをしますが、この工程を“印象採得”といいます。トレーに盛られたペースト状のものをトレーごと歯の上から押しつけて型取りをしますが、この歯形に石膏を流し込んで固めると患者さんの歯の形態が正確の再現できるわけです。この再現した石膏模型をもとに詰め物や人工歯を製作したり、矯正治療の際の歯並びの確認を行ったりします。
歯形を取る際に使うペースト状のものを印章材といいますが、アルジネートというピンク色の材料とシリコンラバーを使った弾力に富む材料の2種類があります。
アルジネートとは聞き慣れない言葉ですが、粉末状のアルギン酸ナトリウムと石膏を混ぜたものに水を加えて練って用います。アルギン酸にはどろどろしたものを固める働きがあるために使われていますが、身近なところではかまぼこなどの練り製品にも用いられています。
そのほか、冷えると固まるという性質を利用して寒天も印象材として使われてきた歴史があります。かまぼこに続き、寒天となじみのある材料が続きますが、この両者を合体させた「寒天アルジネート連合法」が現在、最もポピュラーに用いられている方法です。歯の凹凸や歯ぐきとの境目などを細かい部分にまず寒天材を注入し、その上からトレーに盛ったアルジネートを被せます。操作が容易で安価であるため保険適用もされています。
ただ、寒天材は9割が水ということもあり強度が弱く、取り出すときに細部がちぎれたり、変形する恐れがあります。そのため、インプラント治療やセラミックの被せ物などより精密な型取りが要求される場合はシリコン印象材といってゴム系の材料を用います。細部まで精密な印章が取れ、型取り後の変形がないのでそのまま技工所に送ることができるなどのメリットがありますが、アルジネートに比べて材料費が高く、保険適用にはなっていません。

歯科衛生士さんの熟練の技

詰め物や被せ物は土台となる支台歯と精密に合致すること(適合性といいます)が重要なポイントで、適合性が悪いと両者の間に隙間ができてむし歯の原因になったり、歯肉が腫れたりトラブルの原因となる場合があります。ですから精密な型取りが被せものを長持ちさせ、むし歯の再発や歯周病を予防するといえます。
印象材の中の気泡を抜く作業も重要であり、さらには歯や歯肉の表面に唾液や血液、浸出液などが残らないように細心の注意を払います。簡単に型取りしているように見えて印章材を作る歯科衛生士さんの熟練の技が込められているのです。
なお、型取りの際に嘔吐反射がでやすかったり、鼻呼吸がしにくいなどの理由で苦手という患者さんは少なくありません。早く固まるように材料を調整するなど配慮しますので遠慮なく申し出てください。
正確な型取りのためにも健康な歯肉は欠かせません。歯肉が腫れていたり出血したりしてはいけないのでしっかりと歯肉の治療も行いますが、普段からの口腔ケアを怠らず、引き締まった歯肉を維持するように心がけましょう。

中村歯科コラム:歯科衛生士さんの熟練の技

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