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歯ブラシだけでは汚れの6割しか落とせない

歯と健康

中村歯科コラム:「糸ようじ」誕生秘話

「糸ようじ」誕生秘話

デンタルフロスはいまや、オーラルケアの必需品ともいえる存在ですが、もともと日本にはなじみのないものでした。初登場は1987年で歯ブラシメーカーではなく、医薬品や芳香剤等で有名な小林製薬が手がけたという点で意外性があります。当時、商品開発担当の社員が、新幹線に乗り合わせた外国の女性が、人目をはばかる様子でデンタルフロスを使っているところを目撃したのがきっかけでした。
「あれはなんだ?」となりすぐに取り寄せて研究開発し、日本の爪楊枝の延長として違和感なく使えるようにと商品化に苦労して誕生したのが、その名も「糸ようじ」。柄の先が二股に分かれ、そこにフロスが張られたタイプです。その後は他社メーカーからもロール(巻き取り)タイプも発売され、フロスにミント味がついたり、ワックス加工がされて狭い歯間にも入りやすくなっていたり、あるいは唾液でフロスが膨らんで歯垢を効率よく除去できる等等、各社さまざまな工夫が施され進化しています。

デンタルフロス併用で除去率1.5倍アップ

歯垢(プラーク)がむし歯や歯周病の原因になることはご存じの通りですが、歯垢が付着しやすいところは歯と歯の間をはじめ、奥歯の噛み合わせの面、歯と歯ぐきの境目、抜けた歯の周囲、隣合う歯が重なり合った部分等です。歯垢はネバネバしていてうがいでは落ちず、歯ブラシでしっかりと取り除く必要がありますが、歯垢が着きやすい場所は歯ブラシが届きにくいところが多く、磨き残しとなってしまうのです。
こうした歯ブラシだけでは落とせない汚れに対応するのがデンタルフロスです。歯間部の歯垢の除去率を比べると歯ブラシだけでは58%だったのが、歯ブラシにデンタルフロスを併用することで86%に、じつに1.5倍にアップしたという報告があります。
その使い方は歯面に沿って、のこぎりの刃を引くようにゆっくり動かしながら歯間を通したら、歯に巻き付けるようにフロスを当てて、フロスを上下させて歯の側面をこすります。さらに歯と歯ぐきの間のミゾ、つまり歯周ポケットの中1〜2㎜程度のところまで入れて2〜3回こすることで汚れがしっかり取れます。歯周ポケットをきれいに掃除しておくことで歯周病予防となります。
歯垢が石灰化したものが歯石ですが、歯石のつきやすい場所は下の前歯の裏側、上の奥歯の外側と唾液腺の近くにある歯につきやすい傾向があります。前歯の裏側についてもデンタルフロスで歯と歯肉の境目をしっかりお掃除すると歯石がつかなくなります。上の奥歯の外側も歯ブラシが届きにくいので意識してブラッシングすることをお薦めします。こうしたご自宅でのケアに、3か月に1度の歯科医院でのプロフェッショナルケアを受けることで口腔内の健康維持に努めましょう。

中村歯科コラム:デンタルフロス併用で除去率1.5倍アップ

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