口腔内トラブルとストレスとの関係
ストレスで歯ぐきが腫れる!?
ストレスによって心身の不調がもたらされるということは珍しいことではありません。それだけでなく、口腔内の健康にも影響を及ぼすことがわかってきました。たとえば、睡眠中の歯ぎしりや食いしばりなどはストレスが一因といわれています。
また、ストレスを感じたときにはからだが臨戦態勢になるため、交感神経が優位に働いて唾液を分泌する副交感神経が抑制され唾液の分泌量が減少します。そのため、唾液による口腔内の自浄作用の低下し歯周病やむし歯、口内炎や口臭などになりやすくなるなどさまざまなトラブルの原因ともなります。
実際にストレスがどのくらい口腔内の健康に影響しているのか、東京医科歯科大学の健康推進歯学分野の相田潤教授、青木仁大学院生らの研究グループが調査研究を行いました。この研究では274,881名(平均年齢47歳)の成人を対象に、日常生活についての広範なストレスを19項目設定し、該当項目数と口腔内の健康の関連を分析しました。その結果は口腔内に歯周病などなんらかの病気がある率は、ストレスのない人で2.1%でしたが、ストレススコアとともに増加し、最大7項目以上チェックした人では15.4%に達しました。「歯が痛い」「歯ぐきの腫れ・出血」「噛みにくい」といった症状についても、該当するストレス項目が多い人ほど、口腔内の症状を訴える人が増えるという相関関係があることが認められました。
ストレスを解消して口腔内の健康維持を
ストレスが体調不良の原因となることはよく知られたことですが、今回の研究で口腔内もストレスの影響はまぬがれず、口腔内のトラブルを招く原因の一つとなることがわかりました。お口の中を健康で保つ上で、ストレスを緩和し、解消することがいかに大事なことであるかが示唆されたといっていいのではないでしょうか。
適度なストレスは生活にハリをもたせ、その人のやる気を出させたり、成長するには欠かせないものといえます。ただ、過度はストレスや長引くストレスはよくありません。口腔内の健康維持を考えるときに、日常的な口腔ケアととともに、ご自身に合ったストレス発散法をぜひ、身に付けて実践していきたいものです。
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