歯科コラム

歯を失わないためにぜひ禁煙を!

歯と健康

中村歯科コラム:喫煙は歯周病のリスクが高くなる

成人男性の喫煙者は4人に1人

喫煙に関して健康への弊害が周知徹底され、喫煙者は減少の一途を辿っています。統計(「2018年のJT全国喫煙者率調査」)によると成人男性の平均喫煙率は27.8%と4人に1人にまで減少してきており、50年前の昭和41年の83.7%と比べると50ポイント以上の差となっています。
年代別でみると最も高いのは40歳代(35.5%)で、働き盛りの年代と喫煙率の高さは重なる傾向にあるようです。
一方、成人女性については、喫煙率そのものは8.7%と低いのですが、ピーク時の18%からの減り方は緩慢で、ほぼ横ばいといえます。
ただ、成人男性の喫煙率は大きく減少しているとはいえ、諸外国に比べると依然高く、喫煙者は推定で約1400万人といわれています。

禁煙治療には保険が適応されます

喫煙はその煙に含まれる約200種類の有害物質、約70種類の発がん物資などにより肺がんや心臓病、脳卒中などのリスクが高まることがわかっています。タバコの煙が最初に通過する器官である口腔内についてはその影響は深刻といえます。煙の害を直接受けてしまうほか、口腔粘膜を通し血液を介した間接的な影響も受けるためです。
とくに注目していただきたいのは歯の喪失リスクです。厚生労働省の「喫煙と歯の喪失の関係調査」では9本以上歯を失うリスクは、たばこを吸わない人に比べて、1日21本以上の喫煙者は約2倍と報告されています。喫煙本数が多くなればなるほど、喫煙年数が長くなるほどこのリスクが高まることはいうまでもありません。
これはニコチンの血管収縮作用によるところが大きく、歯肉上皮下の毛細血管の血流量が減少することでヘモグロビン量が減り、酸素も行き渡らなくなります。その結果、免疫力が落ちて歯周病の罹患率を高めてしまうのです。それだけでなく喫煙によって歯肉組織の線維芽細胞の増殖が抑制されるほか、コラーゲンもつくられにくくなるので深い歯周ポケットが形成され、歯周病が重度になりやすいことがわかっています。禁煙により歯周病の進行が早まり、かつ重度になりやすいため歯を失うリスクは必然的に高まるというわけです。
また、炎症によって起こる歯肉からの出血が、喫煙者の場合は血流量の減少により逆に少なくなってしまうため、症状が現れにくく歯周病の発見や進行の自覚を遅らせるという悪条件も重なります。
受動喫煙についても同様に歯周病のリスクを高めるほか、ご家族に喫煙者いるご家庭のお子さんに歯肉の色素沈着が起こりやすいことが報告されており、年齢とともにその色素沈着は広がります。
ご家族の方は同居されている限りは受動喫煙からは逃れられません。周囲の人の健康も守るためにも喫煙されている方は一日でも早い禁煙に成功していただきたいと思います。
現在、禁煙治療は一定の条件を満たした医療機関では保険適応となっていますので、禁煙で悩まれている方はぜひ受診されることをお勧めします。

中村歯科コラム:禁煙治療には保険診療による医師への受診が可能

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