1年の締めくくりに、口腔ケアの見直しを
年の瀬ともなるとなにかと気ぜわしい時期ですが、お口の中のケアも忘れずに行いたいものです。家の中の大掃除と同様、お口の中も普段から汚れをためず、こまめにお掃除をしておことが肝心です。普段の歯ブラシの習慣こそが歯周病、むし歯予防の第一歩ということで、年の締めくくりに今一度、見直してみましょう。
磨いたあとすすぎ過ぎるのはNG?
食べたらすぐ磨くのがいいのか、それとも時間をおくのがいいのかということは悩ましいところですが、一般的には口の中に残っている糖質を早く取り除くという意味で食べたらすぐに磨くことをお勧めします。細菌は糖質を分解して酸を発生させ、その酸によって歯のエナメル質が溶け出します。ですから、そのもとになる糖質をできるだけ口の中に残しておかないという意味ですぐに磨くことが推奨されます。
細かいことですが、磨く前になにげなく歯ブラシを水で濡らしているという方が多いと思うのですが、これは意外にもNGです。水で塗らすことですぐに口の中に泡が広がり、十分ブラッシングをした気分になってしまうからです。実際に磨く時間も短くなるという調査結果も出ており、磨き残しの原因となるため、濡らさずに磨くことをお勧めします。
そのほかの歯磨きの際のNGとしては、磨いたあとすすぎ過ぎないということがあります。フッ素の配合された歯磨き粉の場合はとくにフッ素の効果まで洗い流してしまうためで、10cc程度の水で十分といわれています。
歯ブラシの交換時期についても1日3回磨く方であれば、1か月使えばほぼ交換時期となります。清潔さを保つことと、汚れを落とすという機能性を維持するためで、歯ブラシの毛先が広がってきた時にはすでに交換時期とお考えてください。毛先が広がりやすいという方は力を入れ過ぎている可能性があります。ペンを持つ握りで歯ブラシを支えて、軽い力で小刻みに磨きます。
歯間専用のブラシやデンタルフロスは必需品
磨き残しをなくすという意味では、歯ブラシだけでは歯の間など磨きにくいところがあるため、デンタルフロスや歯間ブラシの出番となります。歯の隙間の幅に応じてデンタルフロスや歯間ブラシを使い分けてお掃除します。歯間の清掃効果として歯ブラシだけだと60%弱のプラークしかとれませんが、歯間ブラシやデンタルフロスを使えば90%以上の汚れが除去できます。それでも100%は除去できないので、歯科医院での定期健診、定期クリーニングが必要になるのです。お口の中の大掃除のようなものといえますが、お口の中は年に1回では間に合わず、3か月に1回のペースが目安です。
このようにして歯についたプラークをすみずみまで除去することで、むし歯や歯周病を未然に防ぎお口の中の健康を将来にわたって維持していくことにつながります。
年末年始は歯科医院もお休みとなりますのでお口の中のトラブルがある方は早めに対処しておきましょう。
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