歯科コラム

歯周病とインプラント

歯周病のこと

若年層にまで感染が拡大する歯周病

歯周病は30代以上の人の約8割がかかっているといういわば、国民病ともいえる病気です。最近では小学生の約4割が歯周病に罹患しているという調査報告 (厚生労働省平成23年歯科疾患実態調査、歯肉に所見のある者の割合)もあり、いまや中高年だけでなく、若年層にまで感染が拡大している病気といえます。
身近な病気であるだけに、それほど深刻に受け止めない方も多いかもしれませんが、歯周病はむし歯とともに日本人の歯を失う2大原因となっている怖い病気なのです。

“歯周病は万病のもと”!?

歯周病はむし歯とは違って、歯そのものの病気ではなく、歯肉や歯槽骨といった歯周組織が細菌によっておかされる感染症です。その原因となるのが細菌の塊であるプラークです。プラークとは歯の表面についている白いネバネバしたもので、歯周病はこのプラーク中の歯周病菌が歯肉を攻撃することから始まります。生体側では白血球による防御反応が起こり、歯肉が赤く腫れたり、出血を起こしたりします。歯周病菌は歯肉と歯の隙間に入り込んで歯周ポケット(歯と歯肉の間にできる隙間)を形成します。歯周病菌は奥へ奥へと入り込んで酸や毒素を出して歯周組織を破壊するため、歯周ポケットはしだいに深くなっていきます。同時に、歯周病菌の出す毒素は破骨細胞を活性化させて歯の土台となる歯槽骨を溶かしていくのです。症状がさらに進むと、歯がぐらぐらになっていき、最終的には抜歯をせざるを得なくなってしまいます。
歯周病は “サイレントディジーズ(沈黙の病気)”ともいわれ、自覚されにくいという点でも怖い病気といえます。
最近は、歯周病は口腔内だけに止まらず、全身の健康に深く関係していることもわかってきました。歯周病菌や炎症物質が歯周組織の血管を通して全身に運ばれるためで、心臓病や脳梗塞のリスクを高めたり、糖尿病を悪化させるほか、誤嚥性肺炎、低体重児出産・早産などの原因にもなるといわれています。さらには骨粗しょう症、腎炎、関節炎、発熱、肥満などとの関連も疑われており、まさに“歯周病は万病のもと”といっても過言ではありません。

“インプラント周囲炎”の対策は万全に

現在は歯を失った方のためにインプラント治療が確立されているのはご承知の通りです。すでに多くの方がインプラント手術をされて快適な生活を送られていますが、忘れてならないのは定期的な検診とクリーニングです。というのも口腔ケアを怠ると天然歯を失った時と同様に、“インプラント周囲炎”という疾患にかかるおそれがあり、悪化するとせっかくのインプラントを失ってしまう心配があるからです。
インプラント手術が成功し快適に噛めるようになると安心されて、定期検診などがおろそかになってしまわれる方がいらっしゃいますが、歯科医院とのほんとうのおつきあいはここからです。インプラントをされたなら、私たちといっしょにタッグを組んで本気の歯周病対策を始めましょう。

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