歯周病菌とむし歯菌の違いを知って予防に役立てよう
むし歯のきっかけをつくるミュータンス菌
むし歯と歯周病は日本人が歯を失う2大原因ですが、どちらも口腔内にいる細菌によって引き起こる感染症です。それぞれ原因菌が異なり、発症する部位も違っています。ただ、どちらも細菌の塊であるプラーク(歯垢)の中で増殖して口腔内に弊害をもたらします。ときとしてうやむやになりがちなこの2大疾患について改めてその違いを確認しておきたいとい思います。
むし歯はむし歯菌が糖質をえさに代謝してできた酸により歯の表面のエナメル質を溶かすことから発症します。さらに進行すると奥のセメント質や象牙質まで侵し、神経と血管からなる歯髄にまで達して激痛を引き起こします。
むし歯の原因となる細菌はミュータンス菌とラクトバチラス菌が代表的ですが、生まれたばかりの赤ちゃんにはむし歯菌は存在しません。幼児の頃に母親や周囲の大人が口移しで食べ物をあげたりすることで感染します。ミュータンス菌はネバネバした歯垢を形成してむし歯の発症を促し、続くラクトバチラス菌がミュータンス菌のつくったネバネバをすみかに増殖してむし歯を重症化させます。ミュータンス菌は一度感染して定着してしまうとなかなか減らすことができないので、日頃からその活動を抑制するケアが重要になります。
血液をえさにする歯周病菌も
歯周病菌は以前約300種類といわれていましたが、今では800種類以上とも報告されています。口腔内にいる常在菌の中でも最強のグループに分類されるのが、P.g.菌(ポルフィロモナス・ジンジバリス)、T.f.菌 (タンネレラ・フォーサイシア)、T.d.菌(トレポネーマ・デンティコーラ)の3菌種です。これらの細菌は歯ぐきや口腔粘膜にしっかりと付着し内毒素により歯周組織を炎症させ、あごの骨を溶かします。なかでもP.g.菌は親玉的な細菌で血液をえさとして出血を伴う症状によりいっそう増殖して進行を早めます。早急に出血を止め、細菌のすみかである4㎜以上の歯周ポケット内のクリーニングにより細菌を一掃することが必要です。
予防にも役立つ口腔内細菌検査
ご自身の口腔内にいる細菌の種類やむし歯と歯周病のどちらになりやすいかなどについては口腔内の細菌検査でわかります。予防にも役立てることができるので、唾液の量を測る唾液検査なども合わせて是非一度は受けていただくことをお勧めします。
いずれにしろ、どちらの疾患にもならないことが一番であることはいうまでもありません。むし歯も歯周病も普段のケアと定期検診・クリーニングによって十分に予防することができる病気であることを知って、口腔内の健康に留意していただければと思います。
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