歯科コラム

今すぐ止めたい!むし歯を進行させる飲食習慣とは

歯と健康

中村歯科コラム:むし歯を進行させる飲食習慣とは

お口の中のpHが問題

お口の中のトラブルはできるだけ避けたいもの。そのために毎日の歯磨きや定期検診に通われていることと思いますが、そうした努力も一瞬にして無駄にしてしまう生活習慣があります。それは──。
答えにいく前にいくつかの大切なことをご説明したいと思います。
むし歯は口腔内の常在菌の中でもミュータンス菌などの糖を分解して酸を作り出す細菌によって引き起こされるということはご存じだと思います。
歯の表面を覆うエナメル質は非常に硬い物質ですが酸に弱く、pH(ペーハー)5.5以下になると、“脱灰”といってカルシウムが溶け出します。
お口の中が最も酸性になるのは食事中で、むし歯菌が活動を開始、糖分をえさにしていっせいに酸を作りだすため急激に酸性に傾きます(pH4〜6)。ただ、食後40分もするとアルカリ性である唾液により中和されて平常時の6.5〜7(弱酸性)くらいに戻ります。同時に唾液に含まれるカルシウムが再び歯の表面に付着することで修復がなされます。この過程を“再石灰化”といいますが、食事のたびにこの脱灰と再石灰化とが繰り返されることでむし歯にならずにすんでいるのです。

糖分の量ではなく、回数とタイミング

定期的な3回の食事だけではこのサイクルがきちんと機能し、そう簡単にはむし歯にはなりません。むし歯のリスクを高めるのはこの3食以外の間食(飲み物も含めて)といえます。間食の回数が増えれば、脱灰に終始してしまい、再石灰化が間に合わなくなるからです。
アメ1個でも、調理の際に一口、味見をするだけでもpHは急激に酸性に変化します。缶コーヒーも同様に食間に飲む習慣が、いかにリスクが高いかがおわかりになると思います。問題なのは糖分の量ではなく、回数とタイミングです。
冒頭のクエスチョンの回答はもうおわかりだと思いますが、間食です。
とくに夏休み期間中はお子さんの間食には気をつけたいもの。だらだらとお菓子を食べたり、糖分の多い清涼飲料水を頻繁に飲むことは避けましょう。スポーツドリンクも糖分が多いため、常時飲んでいるとむし歯のリスクが高まります。緑茶、紅茶、ウーロン茶は安心です。
大人の方もそうですが、甘いものをどうしても食べたいというときは食事のすぐあとであればリスクは減ります。食後のデザートというのは理にかなっているといえます。
そのほか、唾液の分泌を促すという意味ではシュガーレスガム(キシリトール100%のガム等)を食後に噛むことをお勧めします。ただし、ガムを噛むことは歯磨きの代わりにはならないので日々の丁寧な歯磨きもお忘れなく。
一度むし歯になるとけっして元には戻りませんが、むし歯のごく初期の段階では唾液によって常に修復がなされているということは驚くばかりです。私たちのからだに備わっている大切なこの機能を大いに活用して、口腔内の健康を維持していきたいものです。

中村歯科コラム:間食が虫歯リスクを高める

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