歯科コラム

噛むことは健康の源

歯と健康

食べることは生きていくうえで基本的なことであり、お腹を満たすことは心が満たされることでもあり、人生の幸福感の源でもあるといえます。その幸福を支えているのが歯であり、“噛む”という日常、当たり前のようにしている動作だといえます。よく調べると、噛むということは実に奥深く、心身ともに健康であるために意味のあることだということが再確認できます。

噛むことで脳を刺激し、活性化します

“噛む”という動作は、あごの関節の筋肉をはじめ舌や頬、唇、喉などたくさんの筋肉が協調して行われる一連の運動です。このときの脳の働きを調べると、脳の運動野や感覚野、視床、小脳、口やあごからの情報が伝達される部位などに広い範囲が活性化していることがわかります。噛むという動作は大きな動作ではありませんが、脳の広い範囲を刺激し、活性化しくれ働きは大きいといえます。

認知症予防にも期待

私たちの記憶をつかさどる脳の部位に海馬とよばれる部位がありますが、加齢とともにしだいに萎縮するといわれています。しかし、よく噛むことで海馬の神経細胞の数が回復し、活性化が増強されることがわかってきました。そのため、噛むことによる認知症予防にその改善に大きな期待がもたれています。
噛むといえば、大リーグの野球選手が試合中にガムを噛んだり、ときにはぷーっと膨らませたりする姿を見うけられます。不謹慎と思われる方もいるかもしれませんが、スポーツ選手が試合中にガムを噛むのは理由があってのことです。噛むというリズミカルな刺激が脳への血流を促し、緊張感を和らげてくれるのです。さらに判断力や集中力が増し、心拍数も上がり過ぎず安定にするのだそうです。ここ一番でガチガチに緊張して失敗したりしないよう、その選手なりの工夫といえます。

やる気スイッチもオンに

このように噛むことにはストレスを緩和すると同時に集中力をまし、やる気スイッチをオンにしてくれる働きがあります。
最近の研究では食事をする前にガムをよく噛むと内臓脂肪のほか皮下脂肪が減少し、体重が減ることが実験でも確かめられています。さらに内臓脂肪から分泌される善玉物質が増え、悪玉物質が減りました。そのほか血糖値の上昇がゆるやかになり、摂取エネルギーが減るということも報告されています。
よく噛んで食べることは満腹中枢が刺激されて食べ過ぎを抑える効果もあります。
このように噛むことは生活習慣病の予防にもなり、しかもお金も一切かからないダイエット法にもなるなど、いいことづくめなのです。
今日から、食事は急がずゆっくりと、よく噛んで味わって食べることから始めましょう。

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